星の見える東京
日記

オリジナルバトル鉛筆(バトエン)と英語ファイルのイラストの思い出

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梅雨の重たい天気が続くので、ちょっと昔の思い出話。

小学校高学年の頃、学校で「バトル鉛筆」というのが流行った。通称「バトエン」。今の子供たちもやっているのか分からないけど、ある世代のひとにとっては懐かしい遊びだと思う。

バトエンはRPGゲームのドラゴンクエストをモチーフにして、鉛筆をスゴロクみたいに転がし、技を出し合って闘うという遊び。

画像 : ドラクエ キングバトルえんぴつリスト

遊び方は簡単で、六角の鉛筆を転がして出た目の行動をする。「★に40のダメージ」や「全員に30のダメージ」の他に、回復の魔法などもある。

僕が、このバトエンにはまっていたのは小学校六年生の頃で、徐々にただ遊ぶだけでは飽き足らず、オリジナルのバトル鉛筆をつくるようになった。

これはクラスメイトのY君が発案したもので、白い紙に、六角形になるよう等間隔の六つのマスを書いた線と、その上にモンスターを描けるスペースを残した枠を書く。

そこに、自分の考えたオリジナルのモンスターのイラストと、攻撃や魔法を書き、切り抜いて普通の鉛筆に貼る。

たぶん教室ではY君と僕だけが、バトル鉛筆で対戦するよりも、このオリジナルのバトエン作りにのめり込み、黙々とつくっては見せ合った。

あるときのこと、僕は授業中に教科書を立てて、その影でこっそりとオリジナルバトエンのマスの中身を書いていた。

しかし、あまりに集中しすぎたせいで、先生が近づいていることに僕は気づかずに、何をやってるんだと叱られ、教科書とバトエンを取られた。そして、みんなに見せるようにバトエンをかざし、「これはなんだ?」と先生は言った。

僕は入り込んでいた世界が壊れたことと、好きな女の子の視線とで、パニックになって、「返してよ」と手を伸ばしたが、先生は厳しい眼差しで僕を睨み、腕を遠ざけた。

当然と言えば当然だけど、でも、当時の僕はみんなの(好きな子の)前で恥をかかされたことがたまらなく悔しかった。

たぶん、こうして書いているくらいなので、今でもそのときのことは忘れていないのだと思う。

それから一年、僕は中学に入った。

僕は相変わらず授業に集中できない子で、イラストを描いたりいたずら書きをしていた。そしてまた似たように先生に怒られた。

それは、英語の授業の時間のことだった。

僕は英語のプリントを収めるファイルの表紙に色んなイラストを描いて、その下に英語の単語を書いていた。

たとえば時計のイラストの下に「CLOCK」といった具合に(ふざけたものもあった)。

担当の先生は、30歳くらいの女のひとで、僕はまたうっかり先生の近づいているのに気づかず、「なんですか、これは」と同じようにファイルをとられた。

怒られる、と僕は一瞬身構えた。でも、先生は、そのファイルのイラストを見て、怒るのではなく、「何これ、すごい上手!」と言い、「みんな見て、これすごい上手じゃない?」とクラスメイトに見せた。

そして、「ちゃんと授業は聞かないとだめだよ」と言って僕にファイルを返してくれた。

もちろん、授業に集中しないのは駄目なことだと思うし、英語に関係するファイルのイラストと関係ないバトル鉛筆とでは話が違うかもしれない。

でも、僕はあのときの英語の先生の言葉がすごく嬉しかった。

別に、この一件でイラストにのめりこんでその後イラストレーターになった、という壮大な感動秘話でもないけど、先生のあの褒め言葉に、特別目立つ生徒でもなかった僕はなんだかとても肯定感に満たされた気がした。

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