星の見える東京
日記

僕にとっての「愛犬」と「犬」

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「愛犬」と「犬」

先日のこと、一匹の放し飼いになっていた犬が、じいっとこちらを眺めていた。

茶色い毛並みと凛とした表情に、つぶらな瞳で、草むらの上に静かに佇んでいる一匹の柴犬。

その犬の風貌が、少し前に亡くなった愛犬と似ていたので、懐かしいような、もの悲しいような気持ちになった。

取り憑かれるようにその場に立ち尽くし、僕も、その犬のことをぼんやりと眺めていた。

すると、突然、意を決したとばかりに、その犬が僕のほうにひょこひょこと近寄ってきた。

その犬の行動に反射的に僕の体は緊張してぐっとこわばった。その警戒心が伝わったのか、その犬もそそくさと飼い主のもとに戻っていってしまった。

ああ、そうだ、と僕は思った。

僕は、犬が苦手だったんだ。

子供の頃は犬が苦手で、怖くて、追いかけられたこともあった。必死に走って逃げた。「逃げれば追いかけてくるから」と親に言われても、止まればつかまるじゃないか、と逃げまわった。

そんな記憶が、ありありと蘇ってきた。

きっと、そのときの記憶を先取りして体が強張ったのだと思う。

中学の頃に、生まれたばかりの仔犬を飼い始めて、しょっちゅう一緒に過ごしていたから、僕はてっきり「犬」が好きになったのだと思っていた。

でも、違った。

僕は、仔犬の頃から一緒に暮らしていた「彼」のことが好きで、頬をむにゅむにゅしても、頭をぽんぽんしても「彼」だから平気だった。

僕は、「彼」と仲良くなっていったのであって、「犬」と一緒に暮らしていたのとは、きっとまた違うことだったのだ。

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