星の見える東京
日記

多摩川の河川敷を彩るキャンドルナイト「灯と人」

たそがれ時、多摩川の河川敷にキャンドルの灯が煌々と灯っているのを見つけた。

キャンドルは、ハートを模した地上絵のように並び、キャンドルの周辺には参加者と思しき若い人たちが集まっている。

冬の匂いの混じった冷たい風が吹く。空はすっかり薄闇に覆われていた。

初めて目にする光景だった。なんのイベントだろうか、と疑問に思い、しばらく土手から眺めていると、ギターの演奏と柔らかな女性の歌声が聴こえてきた。

僕は、その音色に誘われるようにして階段を降り、光る地上絵の方に近寄っていった。

そこでは、ゆらゆらと揺らめく小さなキャンドルの灯りと、30人ほどの観客に囲まれながら二人組のアーティストが歌っている。

彼らは、女性がボーカル、男性がギターのhuenica(ふえにか)というデュオで、このイベントは、「灯と人(ひと、ひと)」という名前の「今夜はなるべくロウソクの灯りだけで過ごしませんか」と呼びかけるものだと言う。

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優しく幻想的な歌声と、フォークギターの音色。絵本のような世界観の歌詞。秋風に揺れるキャンドルの灯りと、好き好きに芝生に座り込んで静かに耳を傾ける老若男女の聴衆。

ときどき頭上を窓から黄色い光の零れる小田急線が走り去っていく。

まだ他のアーティストの演奏も続くみたいだったが、残念ながら僕は用事があったのでhuenicaの演奏が一通り終わったタイミングで河川敷をあとにした。

それにしても、ライブはこれくらいの規模の方がいいな、と思う。

多摩川のキャンドルナイト。一年に一度、秋の暮れに一晩だけ現れては消える森の演奏会のようだった。

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