岩井俊二監督の新作映画『Last Letter』
岩井俊二監督の新作映画『Last Letter』が、2019年に日本で公開予定。
主演の松たか子さんを筆頭に、広瀬すずさんや福山雅治さん、神木隆之介さんといった豪華俳優陣が出演。プロデューサーには川村元気さん、音楽には小林武史さんと制作スタッフも豪華メンバーです。
この映画は、岩井俊二監督の原体験が色濃く反映された内容となっているようです。
岩井監督自身の原体験を詰め込んだという同作は、岩井監督の出身地である仙台・宮城の夏を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに始まった2つの世代の男女の恋愛模様や、それぞれの心の再生と成長を描く作品。
この『Last Letter』の公開に先立って、監督自身が書き下ろした小説『ラストレター』も出版されました。
中国で新作『你好、之华』も公開
一方、こちらは今のところほとんど情報がないのですが、中国でも新作映画が11月9日から公開されるようです。
主演は、中国の人気女優・周迅さん。映画のタイトルは『你好、之华』。
かつて英語で『ヴァンパイア』を、韓国語で『チャンオクの手紙』を制作してきた岩井俊二監督ですが、これが監督にとって初の中国語映画となります。
『你好、之华』のポスター
驚いたのは、様々なポスターが公開されているのですが、いくつか岩井監督がアップのポスターもあること。
監督をポスターに持ってくるというのは、向こうの映画にとってそれだけ作家性が重んじられるということなのか、それとも、岩井さんの中国での人気ゆえなのでしょうか。
予告編
主題歌のMV(歌は主演の周迅さん、ピアノは岩井さんが演奏)
タイトルの意味は、「こんにちは! 之華」で、英語タイトルは『Last Letter』のようです。
あれ? 日本で公開される映画と同じタイトルです。
なぜ同じタイトルの映画が一足早く中国を舞台に、中国の俳優陣を起用し、中国で公開されるのでしょうか。
作品のあらすじが、ある中国系の情報サイトに載っていました。
中国題とは違った趣きの英語タイトル「Last Letter」からも分かる通り、岩井監督自身のかつての名作『Love Letter』を思わせるもので、ヒロインの袁之嵐が姉の代わりに出席した同窓会で中学時代に思いを寄せていた男性と再会し、手紙での交流を始めるという、センチメンタルなラブストーリーです。
やはり中国版の『Last Letter(ラストレター)』といった感じなのでしょうか。
この『你好、之华』について、岩井俊二監督のツイッターを見ても、調べたかぎりただの一度も呟いていませんでした。
ご自身の作品に関することは自ら発信するだけでなくリツイートすることも多い岩井さんですが全く触れていません。
不思議。
なぜだろう。
ところが、見つけてしまいました。
たぶん、これは最近になって変更されたのだと思うのですが、岩井さんのツイッターのアカウントのプロフィール欄に、ひっそり《「你好、之华」11/9 中国他公開! 》と書かれていました。
でも、これだけ。その他の詳細は一切ありません。
調べているうちに、これは確信犯的に日本では情報を隠しているのではないか、という気さえしてきました。
理由はわかりませんが、もしかしたら、日本版の『Last Letter』と微妙に何かが絡んでくるような仕掛けでもあるのかもしれないと、そんな想像を膨らませる秋の夜長でした。