冬に合う、岩井俊二『ヴァンパイア』のサントラ
岩井俊二監督の映画は映像美も素敵ですが、サントラも好きでよく聴きます。
特に、岩井監督自身で作曲も担当した映画のサントラはほんとうに美しく、あの寂しげに優しく注がれる光を、そのまま音にしたような音色です。
岩井さん自身で作曲した曲のなかで個人的におすすめなのが、『ヴァンパイア』のサントラです。
この作品は、海外を舞台にした若い孤独な自殺志願者たちを描いたもの。
登場人物たちの悲しみと、夢と現実の狭間のような魅惑的な世界観が魅力の映画です(映画としてもこの作品が僕は一番好きです)。
そして、『ヴァンパイア』の世界を支える音楽もまた、ひんやりとした空気の漂う旋律で、日々の散逸する世界に透明の壁をつくって静かな孤独を演出してくれます。
冬の夜に合う、おすすめのサントラ・ミュージックです。