映画『ソラニン』のサントラの感想
映画『ソラニン』のサウンドトラックは、ストレイテナーのホリエアツシさんのソロプロジェクト ent が制作。
心地よい重奏的な音色と囁くような歌声で、ソラニンの世界を包み込んでいる曲の数々。
このサントラのアルバムに収録されている曲は全て ent が手がけているので、もともと映画という軸となる世界がある上に、いっそう統一された世界観が堪能できます。
歌の入った楽曲は二曲で、その他は、日常の風景に寄り添う静かなエレクトロニカの曲になっています。
ソラニンと言うと、メインテーマソングで有名なのが、アジカンのアップテンポな楽曲で映画と同題の『ソラニン』。
一方、他の ent が制作したサントラは、アジカンの曲とは真反対と言ってもいい静謐な曲です(このサントラのアルバムにアジカンの曲は含まれません)。
生のエネルギーに満ちながら、その行き場のなさが寂しい風のように若者たちのあいだを吹き抜ける。そして、「死」と肉薄する。
アジカンと ent 、その両者の音色の差が、20代の「生」と「死」をテーマにした映画『ソラニン』と絶妙に合っているように僕には感じられるのでした。