『ソラニン』芽衣子らの〈その後〉
漫画『ソラニン(全二巻完結)』の〈その後〉を描いた新装版が、10月30日に発売されると作者である浅野いにおさんがツイッターで発表しました。
やっと発表できた。10年以上ぶりの描きおろし最新話「第29話」が収録された「ソラニン新装版」、10月30日に発売です。スペリオールで連載されてた新作「零落」も全1巻で同日発売です!
— 浅野いにお (@asano_inio) 2017年9月29日
週刊ヤングサンデーで『ソラニン』が連載されたのは、2005年から2006年。約11年ぶりの続編発表となります。
新装版はA5版で、未収録のイラストや新規書き下ろしのカラーイラストが30点以上掲載されるとのこと。
内容は、最終話である28話の未来、「2017年の東京」を舞台に、芽衣子やビリーら登場人物の〈その後〉が描かれます。
ソラニンは、主人公の種田の死後、恋人の芽衣子が二人で過ごした部屋を引っ越すシーンで終わっていました。
浅野いにお『ソラニン 新装版』より
ソラニンとの出会い
僕が『ソラニン』と出会ったのは大学時代のこと。黒髪ボブの似合うクラスメイトの背の小さな女の子がおすすめだよと貸してくれたのがきっかけでした。
あれから数年、巡り巡って僕は、この漫画に描かれている街に住んでいます。
特に「ソラニンの街だから」と狙って引っ越したのでもなく、偶然の巡り合わせ。
縁もゆかりもなく、たまたま引っ越し先を探していたとき、ネットの掲示板で一件だけ、「地味だけどおすすめ」と書かれていた投稿があった。
それが、狛江でした。
実際に狛江の街を歩いてみると、静かな、居心地の良さそうな場所で、いっぺんに気に入りました。
その後、映画版『ソラニン』のDVDを久しぶりに見返していたら、川沿いの風景に見覚えがあり、ああ、多摩川だ、と僕はそのとき初めて狛江がソラニンの舞台だと気づいたのです。
漫画を読み返してみると知っている景色が幾つも描かれ、「小田急線」という言葉も出てきた。
大学時代に好きだった漫画の世界に、ふいに自分が住んでいることに気づき、不思議で仕方がありませんでした。
あの頃の、〈その後〉。
発売が素直に楽しみだと思える作品があるのは、とても幸せなことだなと思います。