五月、富士山に雪

五月二十日。日曜日。快晴の空。多摩川から見た富士山は雪をかぶっていた。
東京の最高気温も22℃だったので、富士山も雪が降っていてもおかしくないのかもしれない、とは言え、一瞬驚いた。
歩いていたら、ヘビと遭遇。久々にヘビを見た。狛江の多摩川沿いでは、ときどき蛇とも出会う。
数羽の雀が空からアスファルトに降り立ち、可愛いな、と思いながら視線で追いかけたら、僕の視線を感じたのか雀の横をするすると横切って逃げるように草陰に隠れていった。
狛江の市役所のホームページには、昔の日常の様子が綴られた記録が公開されている。
屋根裏には必ずといっていいくらいヘビがすんでいた。しかも天井板など張られていなかったから、ときにはヘビが梁から座敷の真ん中にぶら下がっていたり、あるいはドサッと大きな音を立てて落ちてくることもあった。いかにヘビとの共同生活であっても、やはり気持ちのいいものではなかった。
だからヘビを見ると、「ヘビがいるわよ」と互いにささやき合ったが、ヘビを指差すことは決してなかった。ヘビを指差すと指先が腐ると言い伝えられ、恐れられていたし、また、ヘビは神様だとも言われていたので、決して殺すこともしなかった。
これくらいの時期の涼しさが一番心地いいな、と思う。