多摩川を散歩していると出会う花で、土手に咲いている白と黄色の花がある。名前は分からない。季節はだいたい夏頃、五月から八月くらいまで咲く白と黄色の花。調べると、ヒメジョオンという名前のキク科の花で、川沿いだけでなく道端などでも見かける野草の一種だと言う。
多摩川の土手で撮ったヒメジョオン。
ヒメジョオンは、種子の寿命が三十年以上と長く、繁殖力が強いという特徴もあり、また、花弁の白い部分が紫がかっていることもある。北アメリカが産地で、一八六五年頃に観葉植物として日本に入り、明治時代には野草として定着する。在来種の生育を脅かす可能性がある外来種として指定され、国立公園などで問題になっている。
漢字で書くと「姫女苑」という表記になる。「姫」は「小さい」ことを意味し、「女苑」は中国産の野草を指す。
白と黄色の色味で言えば、カモミールの花とも似ている。カモミールとヒメジョオンの違いとしては、ヒメジョオンのほうが「花弁が細い」という特徴が挙げられる。カモミールの花の画像を見ると、花弁の一枚一枚が、ハルジョオンより太いように思う。
もう一つ、ヒメジョオンとよく似ている花にハルジオンという花もある。
ヒメジョオンとハルジオンの違いは細かく、まず花が咲く季節が、ヒメジョオンは五月〜八月、ハルジオンは(漢字で春紫苑と書くように)春頃で、四月から六月辺りになる。花の形としては、花びらの部分が、ハルジオンのほうが細く、数も多い一方で、ヒメジョオンのほうが若干太くて少ない。また、花弁が下向きのほうがハルジオンで、やや上向きな花がヒメジョオンといった違いもある。
要は、白と黄色の花で、より花弁が細くて下向きになっているほうが、ハルジオン、ということになる。また、葉の根本と茎のつなぎ目の辺りでも見分けることができ、葉が茎を抱くようについている場合はハルジオン、まっすぐついている場合はヒメジョオンとなる。
ちなみに、ハルジオンもヒメジョオンも食べることができるようだ。ハルジオンは、てっぺんの柔らかいつぼみや花が美味しく、味は春菊に似ていて、ヒメジョオンも、春菊の感じだという。