今年は紅葉がだいぶ遅いように感じる。もう十二月半ばとすっかり冬の寒さなのに、秋真っ盛りのようにとても鮮やかに色づいていた。狛江では、駅から歩いてすぐの泉龍寺と弁財天池が、周辺の静かな雰囲気と合っていて綺麗だと思う。
泉龍寺は、伝説によれば創建が七六五年という歴史の古さで、狛江市内でもっとも大きな寺院であり、駅のすぐ近くにあることから、街を代表するお寺でもある。弁財天池は、かつて雨乞いによって湧き出たものと言い伝えられている。都市の発展などによって一九七〇年代に湧水が途絶え、後に復元工事が行われることとなった。
もう一ヶ所、小田急線で狛江の二つ隣にある成城学園前駅の銀杏並木も歩いてきた。歩いていると、風が吹いて、はらはらと銀杏の葉が降ってきた。
成城学園前の閑静な住宅街は、春は桜が美しく、晩秋には銀杏並木も幻想的で、冬の寒い日が続くが、色づいた葉が、一瞬ほっこり暖めてくれるみたいだった。