多摩川の紫の花

桜もすっかり葉桜となり、数多くの花々が咲いている初夏。緑葉の揺れる風が心地よく、多摩川でも色とりどりの花や野草が咲いている。五月頃に多摩川を散歩していると、河川敷や河原に紫色の花を見かける。

ナヨクサフジ

調べると、多摩川の河原に咲いている、ぶどうのような紫の花は、ナヨクサフジという名前だった。もともとはヨーロッパや西アジアに自生する植物であり、開花の時期は五月から八月。ナヨクサフジと似たような花で、在来種のクサフジがあり、ナヨクサフジは食べられないが、クサフジのほうは食べられると言う。クサフジは、食べる際には、天ぷらや酢の物、和え物、炒め物などにするそうだ。

ただ、僕が撮った写真の花が、本当にナヨクサフジなのかどうか、正直自信はない。一般的に、ナヨクサフジとクサフジでは、ナヨクサフジのほうが紫色が濃いそうだ。確かに、クサフジの画像を見ると、こんなにくっきりとした紫ではなく、もう少し淡い色をしている。色で言えば、多摩川の河原に咲いていた紫の花は、ナヨクサフジのほうではないかと思う。

アカツメクサ(ムラサキツメクサ)

それから、シロツメクサ(クローバー)によく似た、ピンク色に近い紫の花も咲いていた。この花は、そのまま「アカツメクサ」「ムラサキツメクサ」「レッドクローバー」などと呼ばれる。ふんわりと丸く、柔らかい風合いが可愛い。

アカツメクサは、もともとはヨーロッパや西アジア、北西アフリカが原産で、牧草用としてシロツメクサと一緒に明治以降に日本に輸入されたようだ。開花時期は五月から八月。食用ではハーブの素材として使用されることも多いと言う。アカツメクサの生育地は、草地や道ばた、川の土手などだが、シロツメクサのほうがよく見るように思う。