『ソラニン』の聖地巡り「アパート」
浅野いにおさんの漫画『ソラニン』で、主人公の芽衣子と種田が同棲している東京のアパート(芽衣子が借りている部屋)があります。
彼らが暮らしていた古い二階建てのアパートは、小田急線沿線の和泉多摩川駅に実在し、映画でも舞台の一つとして使用されています。
『ソラニン』のアパート
この向こうに多摩川が流れる
漫画のなかでは、アパートだけでなく、アパート前の通りも(番外編の「はるよこい」でも描写されていますが)克明に描かれています。
部屋の間取りは、1Kで、広さは洋室(フローリング)の6畳にキッチンが2畳。二階建てで最寄駅の和泉多摩川駅からは徒歩3分。歩いてすぐの場所に多摩川があります。1980年が築年月日。家賃は42000円(2019年現在)です。
浅野いにおさんが『ソラニン』を描くに当たって、なぜこのアパートを舞台にしようと考えたのか、その理由はわかりません。ただ、漫画と映画を見比べても部屋の間取りまで一緒ということは(映画はセットかもしれませんが)、漫画を描く前からこのアパートの室内の様子まで知っていたということでしょう。
そう考えると、もちろんあらかじめ取材に行っていたのかもしれませんが、もしかしたら以前浅野いにおさん自身か、近しいひとが実際にこのアパートで暮らしていたのではないか、といった想像も膨らみます。

自伝的なニュアンスの濃い作品である『零落』にも、回想シーンに多摩川らしき川と、和泉多摩川のような雰囲気の町が登場します。
浅野いにお『ソラニン』より
浅野いにお『ソラニン番外編「はるよこい」』より
浅野いにお『零落』
川沿いの白い大きなマンションは、和泉多摩川の多摩川沿いの一つのランドマークになっています。
