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狛江、多摩川氾濫(洪水)のハザードマップと避難所

狛江市、多摩川の大洪水

東京と神奈川の県境に位置する狛江市は、過去に、堤防が決壊し、多摩川が氾濫した「多摩川水害」と呼ばれる大きな洪水を体験しています。

昭和49年(1974年)8月末日に上陸した台風16号は、多摩川上流に激しい雨を降らせました。

8月30日の夜、22時頃から降り出した雨は、徐々に勢いを増し、翌31日19時頃から強雨となります。

 

現場となった二ヶ領宿河原堰周辺の雨量はそれほどでもなかった。(画像 : 京浜河川事務所)

 

総雨量を見ると、堤防の決壊した狛江市周辺よりも、多摩川上流部の氷川(527mm)や小河内(495mm)の雨の激しさが際立ちます。

そして、9月1日「狛江市猪方地先の多摩川堤防が決壊」という一報がマスコミを通じて全国に報じられました。

まず昼頃に小堤防が決壊し、深夜には本堤防も決壊。

2日未明に、次々と家屋が流されていきます(この多摩川氾濫によって全部で19戸の家が流されました。ただ不幸中の幸いで死傷者はいませんでした。ちなみに関東大震災でも、村内は倒壊ゼロ、「人畜死傷者なし」だったそうです)。

画像 : 水害の脅威 写真特集(多摩川堤防決壊 1974年9月撮影)

多摩川水害の再現VTRや実際の映像を見るかぎり、狛江市内ではそれほど激しく雨は降っていなかったように見えます。

再現VTRでも、1日の昼に小堤防が決壊する様子を、近隣住民が傘を差さずに土手から眺めていたり、夜に家が流されそうだということで避難所から一度家に戻った際も特に雨具を使っていませんでした。

総雨量のデータを見ても、上流域と決壊した周辺とでは5倍ほどの差があります。

よほど多摩川上流の山間部の雨量が凄まじかった、ということなのでしょう。

 

被害にあった地域(画像 : 京浜河川事務所)

 

被災した場所は二ヶ領宿河原堰付近で、今でも同じ場所に自動車教習所があります。

筑波大学の教授などを歴任し、洪水の前から多摩川の自然を守る活動も行ってきた横山十四男さん(92)も、この台風による多摩川の氾濫で家を流された一人でした。

横山さんは当時を振り返り、「家が流されることはないだろうと思っていた」と語っています。

家を失った家族のほとんどが、大洪水のあと、この多摩川沿いに再び家を建て、戻ってきたそうで、横山さんも多摩川沿いに自宅を再建しました。

多摩川氾濫の現場となった「二ヶ領宿河原堰」の近くの川のほとりには、この洪水を忘れないようにと「多摩川決壊の碑(1999年)」が建っています。

多摩川氾濫時のハザードマップと避難所

多摩川は、江戸時代には「暴れ川」ということで有名で、76年間で21回もの大洪水に見舞われたこともあったそうです。

そこで多摩川の氾濫時の狛江市のハザードマップ及び、避難所についても紹介したいと思います。

ハザードマップ

まず、以下は狛江市のホームページで掲載されている多摩川氾濫の際の被害想定を表したハザードマップ(一部)です。

この被害想定は、多摩川流域での「48時間の総雨量が588mm」という、約200年に一度の大雨を基準にしています。

ちょっと色味が判別しづらいかもしれませんが、ピンクの部分が、二階の床下まで浸かる程度(3m)のようです。

正直、だいぶ驚きの想定で、狛江市の半分近くが浸水することも考えられるとのこと。

もちろん、これはあくまで狛江市を中心に氾濫が生じ、かつ最悪の事態を想定したものであり、どこが決壊するかなどによっても被害状況は全く変わってくるのでしょう。

しかし、多摩川すぐの和泉多摩川駅だけでなく、多摩川から徒歩で10分以上かかる狛江駅周辺でも一部3mという場所があることから、相当広範囲に渡って被害を受ける可能性が考えられます。

避難所

これほど広範囲の被害想定で、狛江市内だと避難所は一体どこになるのでしょうか。

ハザードマップによれば、狛江駅をさらに越えた、数字が赤い丸で囲まれている場所が避難所になる予定の場所で、緑の数字は補完利用施設となります(その都度避難所の開設は、狛江市のホームページやツイッターで情報発信されます)。

緑の矢印は、川から遠ざかるこちらの方角に避難しましょう、ということでしょう。

多摩川から避難所の予定地(②狛江第一中学校)まで、徒歩で30分弱となります(追記 : 2019年10月の大型台風による多摩川の氾濫等の避難所としては、中学の他に、市役所や、途中狛江駅前のエコルマホールも自主避難所として解放されました)。

必ずしも想定の避難所が開設されるわけではなく、また満員になる場合もあるので、その都度情報をチェックする必要があります。

その他、拡大図(詳細)や最新の情報は 狛江市 多摩川氾濫ハザードマップ を参照願います。

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アプリ版について

ちなみに、狛江市ではハザードマップ等の防災情報のアプリ版も配信しています。

しかし、こちらのハザードマップの被害想定は、上記のものよりもだいぶ想定が低く、指定避難所の数も違っていました。

違いの理由として、鬼怒川の堤防決壊などを受け、この数年で想定の雨量を増やしたことが関係している模様。

関東・東北水害を受けて国が昨年、逃げ遅れ防止を目指す改正水防法を施行したこともあり、市は各区ごとの洪水ハザードマップを見直し、想定雨量を増やした。

洪水ハザードマップは何メートル浸水するかを色分けして示している。また水流で家屋が流失、倒壊する危険性がある区域を線で囲んでいる。

出典 : 多摩川洪水ありうる!? 関東・東北水害で衝撃

アプリ版は、この想定雨量も反映した最新の情報に更新されていないことが、PDF版との違いを生んでいるようです。

PDF版のほうが最新(2018年7月現在)なので、こちらを参考にしましょう。

市役所は、この防災ガイドについて、紙冊子版(外国語版あり)と、ホームページから見られるPDF版、そしてアプリ版の三種類を用意しています。

まとめ

今回、多摩川の氾濫について調べてみて感じたことは、狛江付近で雨量が少なかったとしても、山間部の雨量が中流や下流で氾濫を生む可能性があるということ。

また、原因という点では、多摩川水害は単純に自然災害として堤防が決壊したというだけでなく、人災の側面もあった、ということ(逆に言えば、対策をほどこせば防いだり被害を抑えられる、ということも言えるでしょう)。

それと、当時被災したひとが大切な思い出を持ち出しに一度家に戻ったエピソードを自分と重ね合わせ、自分にとって「大切なもの」は何か、ということも改めて考えさせられました。

もう家が流される、あるいは浸水して水浸しになる。

とりあえず「これ」だけは持って避難場所に向かおう、というときに、自分なら一体何を持って行くのか。

そこには生きるために欠かせないものもあるでしょうし、失われたくない思い出や仕事の道具などもあるかもしれません。

狛江で生じる可能性のある自然災害と言えば、「地震」と「洪水」だと思います。

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地震のときと、洪水のときとでは電気や水道、ガスの状況も違うでしょうから、一概には言えませんが、「本当に必要なもの」「本当に大切なもの」とは何か、ということを考えるのも大切な防災かもしれません。

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