星の見える東京
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岩井俊二ゲスト『ボクらの時代』で語る、結婚と子供の存在

岩井俊二監督らがゲスト、『ボクらの時代』の感想

日曜の朝に、同世代の著名人が3人で集まって語る『ボクらの時代』。この番組のゲストに、園子温と紀里谷和明、そして岩井俊二の三人の映画監督が出演しました。

それぞれ三者三様の角度から「異端児」と呼ばれる風変わりな監督のトーク番組で、たった30分なのが惜しいくらい濃密な内容でした。

園子温監督は、少年時代に裸で小学校に行ったことがある、とぶっ飛んだエピソードを語っていました。

園さんが裸で登校した理由には、「なんで服を着て学校に行かなくちゃいけないんだ」という反権力的なものがあったそうです。

また、広報委員でもあった当時の園少年は、あるとき、〈セックス〉という存在を知り、「お前たちの親も同じことをしたんだ」という号外を出して校内の悲鳴を誘ったと言います。

一方、紀里谷監督も破天荒な人生を送っています。

中学を中退し、家を出るように単身渡米すると、そこから独力でのし上がっていきました。

そのため紀里谷監督は、独立独歩の精神が強く、駄目なやつはスタッフでも俳優でも辞めてもらうのは当然だ、と語ります。

先日も、映像関連の大学の講演で腑抜けた学生に激怒したと言います。

質問の際に、プライベートに関する「愚問」を投げかけた学生に、「ぬるいんだよ」「甘いんだよ」と喝を入れたそうです。

そして一見すると柔らかな印象の岩井俊二監督にも、一応、「学校」に抵抗した過去がありました。

岩井監督は、土曜日だけ給食ではなくお弁当だったので、その弁当の時間に「ハンガーストライキ」をしたそうです。

ストライキの理由は、「見たいテレビがあって早く帰りたい」というもの。

このエピソードも含め、ちょっと緩いイメージの岩井俊二監督ですが、20代から30代の前半くらいまでは、荒れた古株の現場スタッフたちと格闘してきたそうです。

メンタルを厳しく保ち、ときに胸ぐらをつかんで声を荒げることもあったとか。

映画『Love Letter』の撮影では、途中「おい、みんな帰ろうぜ!」と、ほとんどのスタッフが帰ってしまい、最後は数人で撮影に望んだこともあったようです。

 

園子温、紀里谷和明、岩井俊二。濃厚な三人の映画監督のエピソードはどれも独特で面白く、やっぱり30分は短いな、と思いました。

それと、個人的にもっとも驚き、興味深いと思ったのは、プライベートが一切表に出ていない岩井監督がさらっと言った、二度の結婚と、二十歳の子供の存在でした。

岩井俊二作品の好きな友人に、「岩井さん、結婚してるんだって」「しかも子供いるらしいよ」と話したら、その友人も物凄く驚いていました。

岩井作品の色が、(「ぬるいんだよ」と叱られそうですが)また一つ重層的になったような気がしました。

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