星の見える東京

当サイトは、アフィリエイト広告を利用しています。

狛江の情報

台風の避難所〜持ち物リストやペットのこと〜

台風の避難所〜持ち物リストやペットのこと〜

過去の水害

到来前から非常に大型で警戒が必要と言われた先の台風。この台風によって、多摩川の水位も上昇し、氾濫危険水位(一部では氾濫)まで達した。

かつて「多摩川水害」として堤防が決壊し、多摩川が氾濫した歴史もある狛江。

狛江の過去の多摩川氾濫(水害)とハザードマップ狛江の過去の多摩川氾濫(水害)とハザードマップ 過去の水害 東京と神奈川の県境に位置する狛江市は、過去に、堤防が決壊し、多摩川が氾濫...

多摩川の河川敷にはモニュメントも建立され、ハザードマップを見ても、最悪の場合は街の半分近くが被害に遭う、という想定もあり、日頃から多摩川の氾濫に対する意識も高かったのではないかと思う。

多摩川の決壊の碑

今回、僕も人生で初めて避難所に行ったので、そのときの体験を踏まえて日記やメモなど記録(一部住民の方のツイートも引用)しておこうと思う。

年齢や性別、持病の有無、ペットの存在や災害の種類、規模などによっても不安や対応は異なり、そもそも避難所よりも自宅に待機していたほうがいい場合もあるだろうから、あくまで個人の感想として、今後の参考にしていただければと思う。

持ち物リスト

この台風による豪雨で僕が行った避難所は、中央公民館(狛江市役所)だった。

台風が近づき、本格化する前に自主避難所として開設していたので、なるべく早めに行ったほうがよかったのだろうが、体調面などいくつかの不安もあり、正直しばらくのあいだ躊躇していた。

一応、前日の夜から、避難所に持っていくものは整理してあった。

財布、スマホ、充電器、ラジオ、飲み物、軽い食べ物、着替え、ビニール袋、その他、大事なものをバッグに詰めた。

それから、避難を考えた当日には、パソコンなど持っていけない大切なものは高い位置に置き、ブレーカーを落としたりガスの元栓を閉めるなど、家を出る準備をし、ようやく避難しようとバッグを手に家を出る頃には、だいぶ風雨も激しさを増していた。

ものすごい暴風雨で、心細くなった。ちょうど同じマンションの住人は家族で車に乗り、避難所かどこかに向かうようだった。

僕は避難所まで歩きで向かったので、何か飛んでこないかと道中も怖く、途中、小走りで向かった。降りしきる雨道を、ときおり車が走り去っていく。避難所に向かうらしい歩行者も2、3人見かけた。

個人的な持ち物リスト

財布、スマホ(イアフォン)、充電器(停電していなかったので施設で充電は可能)、ラジオ、飲み物(水)、軽食、着替え(濡れたように替えの靴下、下着、Tシャツを適当に)、ビニール袋。

この辺りは、人それぞれ必要最低限の大切なものは違うと思う。あと、鞄は防水にしたり、濡れたら困るものはビニール袋やジップロックに入れたほうがよい。

この台風のときに、狛江市が開設していた避難所は、中央公民館、狛江第一中学校、狛江第四中学校。ちなみに、今回の避難所はあくまで「自主避難所」なので、食事などの提供はなく、必要なものは各自で持参する、ということだった。

最新の情報については、狛江市の公式ツイッターおよび、ツイッターのつぶやき検索で入手した。

記憶が曖昧なのだが、ツイッターの検索で、「狛江 避難所」と検索した際、どちらかの中学がすでに満杯だということを知り、「避難所が満杯になる」ということがあるのだと(当然と言えば当然なのだが)思い至ったことも、避難しようと思った理由の一つだった。

市役所に着き、図書館のある公民館に入ると、すでに一杯だと市役所の職員さんに言われ、隣接された、狛江市議会の議場がある建物を案内された。

この建物は、奥まった場所から入っていくので分かりづらいが、建物内に入ると思った以上に数多くの部屋があり、廊下も含めれば結構なスペースがあった。

受付で、名前と住所、ペットの有無などを書く紙に記入し、部屋を案内された。

ただ、最初に部屋に案内されたあとも、別に移動は自由で、途中で帰る際も、特に「チェックアウト」的なものは必要なかった。

避難勧告が本格化してからは、さらに避難者は増加し、公民館も、まもなく満員になったようだった。

避難所は、高齢者の方々や子連れの家族が多く、幼い子供たちは歩き回ったり泣き声をあげることもあるので、その声や音が気に障る、といったこともあるかもしれない。

別の地域で避難した人の話でも、子供の声や他人の喋り声が辛く、耳栓やイアフォンを持っていったほうがいい、という話を聞いた。

慣れない環境なども考えれば、子供が泣いてしまうのは仕方がないし、大人でも、不安なときは、閉じこもって一人になりたい人もいる一方で、逆に少しでも声を出して誰かとお喋りをすることで不安を紛らわせたいという人もいる。

僕も、正直心細く、脳裏にハザードマップの赤く染まった狛江の街と水没する光景がよぎっては不安になり、誰かと声に出して話したい、「怖いですね」「心配ですね」と共有したい、という思いもあったものの、人見知りなこともあり、結局はLINEやTwitterを眺めて過ごした(入ってくる情報や溢れそうな多摩川の映像、頻繁にいっせいに鳴り響くスマホの警報音などで、余計にナーバスになっていった)。

その他、友人同士で避難している若者や、僕と同じように一人暮らしで避難している人もちらほらといたように思う。

ちなみに、子連れの家族の場合、子供の年齢は幅広かったものの、僕の見るかぎりでは赤ん坊はいなかった。授乳やおむつなどの問題もあるので別の部屋が用意されているのか、あるいは、色々な点を総合的に考慮し、知り合いの家や自宅のほうが安心だと考える人も多かったのかもしれない。

この「避難すべきか、家に止まるべきか」という判断がもっとも難しい点の一つだと思う。安心と安全、家の場所や状況などを鑑みながら、総合的に決断する以外にない。

過去の避難所関連のニュースでも盗難など犯罪の話も聞くし、ラジオでも、「避難すべきと言われたから、すなわち避難所に行く、と必ずしも思わなくてもよく、なるべく安全な場所にいる、ということが避難」と語っていた。

お年寄りや女性、赤ん坊とシングルマザーの母親、病気を抱えた人など、この辺りはケースバイケースで、難しい判断が求められると思う。

他にも、たとえば精神的な問題として、大勢の人といることでパニックになってしまうかもしれない、といった不安から避難所に行けない人もいるかもしれない。

ちなみに、僕が行った中央公民館の避難所では、眠るときは多少息苦しさはあるかもしれないものの、それ以外は自由に動き回れ、廊下など、なるべく人の少ない場所で休んでいるひ人もいた。

トイレも、この台風に限っては幸いなことに断水や停電もなかった(和泉多摩川など一部地域では停電があったようだ)ため、綺麗なトイレが各階ごとや各建物ごとに数も多く、全く並ぶことなく使用でき、また、避難もその夜だけで済んだこともあり、館内にそれほどぎすぎすした空気はなかった。

ただ、基本的には、ブルーシートに横になり、他の人たちも隣にいるような状態なので、プライバシーはなく、この辺りは今後避難が長期化した際の課題なのだろうと思う。

先ほどの持ち物リストに入っていないもので、個人的に持ってくればよかったなと後々避難所で思ったのは、「スリッパ(替えの靴)」と「上着」だ。

靴がびしょ濡れなので、せっかく靴下を履き替えても、また湿ってしまうことから、スリッパやサンダルを持ってくればよかったということと、雨で濡れたせいもあり、まだ10月だったが、夜になってから思った以上に冷えた。

季節にもよるが、なるべく暖かい服装にしたりホッカイロなどを持ってきたほうがいいと思う。

ただし、これはどの避難所でもそうなのかはわからないが、夜に役所のほうで一人一枚(一グループで一枚)毛布の貸し出しがあり、とても助かった。硬い床で寝る人には、空気を入れて敷く簡易性のエアマットも提供された。

避難所で貸し出しがあったもの。

毛布、空気で膨らませる敷き布団、スマホの充電(一人一時間、先着順)、スマホの充電は、別の地域の避難所の話では、誰かが管理するわけではなく独占している人もいたようで、時間を区切っての貸し出しは余計な不安やフラストレーションがたまらずによかった。

エアマットの寝心地も、決して悪くはなかった。毛布も、一通り配ってからまだ余っていたのか、もう一枚必要なひとには貸し出していた。

ペットの問題

狛江の避難所は、最終的に以下の施設がなっていたようだ。

  1. 狛江市中央公民館(市役所) ペット可
  2. 狛江第一中学校
  3. 狛江第二中学校 ペット可
  4. 狛江第三中学校
  5. 狛江第四中学校
  6. 狛江第三小学校 ペット可
  7. 狛江第六小学校
  8. 緑野小学校
  9. 上和泉地域センター
  10. エコルマホール

この台風による避難で問題となったことの一つがペットの避難だが、狛江は、ゲージがあれば一部受け入れ可能だった。


ただ、自治体ごとでペットの避難所入りが禁止の地域もあれば、大丈夫な地域もあり、この辺りは、もう少し統一したルールや、避難場所をあらかじめ決めたほうがいいのではないかと思う。

ペットを置いて避難し、万一のことがあれば一生後悔が残るだろうし、置いていくという選択肢は最初からないという人も多いと思う。一方で、猫アレルギーや鳴き声の問題などで避難住民の苦情や被害も想定され、スペースがなければこの辺りは非常に難しい問題となる。

また、「ペット」と一口に言っても、犬猫だけでなく、大型犬と小動物と爬虫類と鳥類と、色々な動物がいることが想定される。

動物の避難スペースの状態がどうだったか、また、今後もこの避難所がペット可能な施設として活用されるのか、といったことも、(そのときの被害状況によって変わるだろうが)予め公開してくれると安心できるように思う。

加えて、順次避難所が開設されるというのも、パニックの要因の一つにはなっていたのではないかと思う。

僕は、市役所の公式ツイッターで随時情報がチェックできたが、慣れていない人もいるだろうから、大型台風など予め想定できる場合は特に、もう少しいっぺんに避難所を開設し、(ペットがどこが可能かも含め)情報発信したほうが余計な混乱に繋がらないような気がした。

ツイッターを見ていると、エコルマホールや総合体育館の避難所開設を求める声もあった(エコルマホールはのちに避難所になった)。確かに、エコルマホールは駅前で分かりやすい立地だし、土地勘のない一人暮らしの学生さんでも行きやすくなるのではないだろうか。

避難所が少ない(想定以上に避難者が多かった)という声もあり、民間の施設の活用など場所の提供だけでもしてもらえると、より多くの人が安心できたり避難者のストレスも軽減されるのかなと思う。

写真については、プライバシーの兼ね合いなどから撮ることが難しいのかもしれないが、確かに、「避難所」の空気感を伝えるのに、各避難所が写真を載せることができれば安心して行ける人も出てくるかもしれない。

最後に、中央公民館に関する話に戻ると、この場所は市役所でもあるので、数多くの職員さんが災害や情報収拾、避難者の対応に当たっていて、自分たちも不安だろうに、本当に凄いな、と思った。

情報発信も、狛江市の市役所のツイッターと市民のつぶやきが非常に参考になり、職員さんたちも頼もしく、優しく接してくれる職員さんもいてとても助かった。

帰宅

夜、日付の変わる前くらいに東京では台風のピークが過ぎ、もうほとんど大丈夫ですよ、という声が聴こえてきたときは、心からほっとした。

川沿いや一部地域の方々、夜中の帰宅が不安な人はそのまま残って一晩を過ごしたが、半分以上の住民は、雨がやんだり避難勧告が解除された段階で毛布とエアーマットを畳み、ぞろぞろと帰っていった。

僕も、早く一人のベッドで眠りたかったので避難所を出た。

雨がやんだと思ったら、どこに隠れていたのか、役所の敷地で秋の虫たちがりんりんと鳴き出し、雲が去って月が綺麗だった。

僕は早く帰りたいあまり、ちゃんと見ていなかったのだが、東京ではその夜、嘘のように星々も綺麗に見えたそうだ。

0