登戸駅の近くにある桜の名所として、宿河原の二ヶ領用水がある。個人的にも好きな場所で、桜の時期はぷらっと散歩がてらお花見に行く。小学校の修学旅行で行ったきりだからおぼろげながら、京都にある哲学の道にも雰囲気が似ているかもしれない。
二ヶ領用水の歴史は古く、江戸時代初期の徳川の命によって作られた用水路で、多摩川から繋がっている。二ヶ領用水という名前は、江戸時代の川崎領と稲毛領にまたがって流れていたことに由来する。
小田急線及び南武線の登戸駅から歩いて十分ほどで着く。ただ、最寄駅は、厳密には登戸ではなく、南武線の宿河原駅になり、駅から徒歩すぐの場所を流れている。二ヶ領用水では、小川沿いの約二キロという距離をたくさんの桜が並び、鳥たちのさえずりや水辺のせせらぎ、小川を泳ぐ鯉など、のどかな自然の世界に囲まれている。夜桜では、提灯が灯り、うっすらと桜がライトアップされる。
川崎市屈指の桜の名所でありながら、意外と穴場でもあり、休日は多少混雑するものの、都心ほど人混みでいっぱいといった印象はなく、ゆったりと桜並木の散歩を堪能できると思う。
この春も、二ヶ領用水に桜の写真を撮りに行ってきた。僕の場合は、今自分が住んでいる狛江から、多摩水道橋を渡って登戸側の多摩川沿いを下流に向かって歩く。登戸駅から向かう場合も、いったん多摩川沿いに出ると道順が分かりやすいかもしれない。南武線の宿河原駅からであれば、すぐに着く。
左手に多摩川を望みながら、土手を歩いていく。登戸の多摩川沿いも、歩いていると、ちらほらと桜の木々が土手を彩っている。
途中、夜には河童でも泳いでそうな不思議な池がある。この小さな池ではよく釣り人が天然の釣堀のようにのんびり釣りをしている。
多摩川から、二ヶ領用水の入り口に向かっていくポイント。向こう側に見える対岸が狛江になっている。
この辺りでもお花見をしている人がいる。この道を越えると、二ヶ領用水の桜並木に到着する。手前には、多摩川の資料館でもある二ヶ領せせらぎ館があり、スマホで予約するレンタル自転車のサービスもすぐ近くに用意されている。
道路を越え、二ヶ領用水に入っていく。よく晴れた快晴の一日で、桜もほとんど満開だった。おそらく今週末辺りはまさにピークになると思う。平日だった影響もあり、人は少ないものの、子供たちが遊んでいたり、老夫婦が眺めていたりと、水辺には優しい時間が流れていた。