狛江のたぬき
たぬきらしき動物
東京都内で世田谷区の隣、決して凄い田舎とも言えない狛江市内にも、どうやらたぬきが生息しているようだ。
最初に狛江にたぬきがいるのではないかと思ったのは、自分自身の目撃体験だった。
多摩川近くの小道で、だれかの用意した餌に集まっている野良猫たちを見ていたら、突然、すうっと横から混じってきた一匹の「猫ではない動物」の影がある。
そのときは夜だったので、見えたのはうっすらとしたシルエットだけだったが、たぬきのような雰囲気で、他の猫たちも、「だれだ、君は」と反応に困っているようにじいっと眺めていた。
僕が少し近づくと、警戒心が強く、そのたぬきらしい動物はさっと走り去ってしまった。
それから何度か、その警戒心の強いたぬきらしい動物を見かけることがあった。
見かけるのは決まって夜だったので、夜行性のたぬきの可能性がやはり高いのではないか、と狛江のたぬきの目撃情報を調べると、狛江の掲示板の少し古い書き込みに、いくつかの目撃談が掲載されていた。
また、最近でも、ツイッターに「狛江でたぬきを見た」という情報も挙がっている。
狛江のたぬき目撃情報
まずは、掲示板に載っていた2004年のたぬきの目撃情報である。
昨日、たぬきらしき動物を目撃しました。
場所は元和泉2丁目の、西河原自然公園の裏です。
一瞬でしたので、見間違えの可能性もありますが、
猫にしては、毛並みや、体つきが違い、たぬきかアライグマみたいだったので、他に目撃者がいればと思い報告いたします。出典 : 狛江タイムズ
西河原自然公園は、多摩川の土手のすぐ横にある、ちょっとした広場や噴水のある公園だ。
この書き込みからしばらく、たぬきの話題になる。
私は和泉本町なのですが、このへんでタヌキらしき動物を見たことはないです。こういうカキコはなんかほっとして楽しいです。
*
タヌキは確かにいるようですね。
1ヶ月ぐらい前ですが、狛江通りの市役所前の歩道をタヌキが歩いているのを目撃しています。*
たぬき、確かに出ますね
私は東野川の野川沿いや、もっと喜多見に近いところでたびたび見かけています。
どうやら深夜11時ごろに食べ物を探しているようです
野川沿いで、現在対岸が大きな工事をしているあたりでは7~8匹の団体さんでした。
車に轢かれないかが心配です*
野川沿いは、たぬきが出てもおかしくなさそうですね。私も、今年8月までは、東野川4丁目に住んでいましたので、付近の環境を見ると、たぬきの生息は可能かと思います。(残念ながら、野川付近では、私は見た経験はありませんでしたが。)
私の小さい頃には、喜多見電車基地は広い原っぱでしたし、調布側の山を「だんご山」と呼んで、カブトムシやクワガタが良く取れました。成城の三つ池の山でも探検遊びを良くしました。あの崖には、防空壕の跡もありました。
マンションだらけになり、ちょっと寂しいですね。外環道ができたらどんなに環境が破壊されてしまうのか心配です。
*
たぬき、今朝5時くらいに見ました!
場所はびっくりさんが言っているのと同じ、西河原自然公園の裏です。
元和泉のグランドの近くでした。
つがいでいたので、びっくりしましたよ。
まさか、狛江にいると思わなかったので。
川崎の山の方では何度か見かけていたのですが、
まさか狛江で見たのは衝撃的でしたね。
狛江にすんで20何年になりますが、新たな発見でした。
でも、狛江に空き地や、グランドがなくなっていくのは寂しい。
少子化だからなのか、昔は本当に遊ぶ所がたくさんあったのになぁ。出典 : 狛江タイムズ
たぬきは多摩川沿いや野川沿いなど、主に自然の多い静かな界隈で出没しているようで、これが2004年のこと。
それから10年以上経った今でも、ツイッター上では狛江のたぬきの目撃情報があり、どうやらたぬきの生活圏として健在のようだ。
ハクビシンたぬき狐は狛江市にもいる〜〜もうこれは調布市に勝ったも同然
— 使わない (@muonyukia) 2015年3月30日
今家の前にタヌキいた…
狛江市…— がく (@gaku_apuri) 2018年11月28日
ところで今朝地元で猫のようなものを見たんですが尻尾がよく見る猫よりも太くふっさふさでその上付近で見たことがない個体の上顔がどう見てもタヌキでこれが噂の大都会狛江市のタヌキ!?と思いました。なんかふてぶてしくて人間になれている感じがします
— 倉井 (@Ckurai) 2018年3月20日
昨夜、駅から2、3分のところにあるお屋敷の庭を囲む塀の上を大きな猫が歩いていた。近づいていくと猫ではなく、タヌキだった。タヌキを生で見れる狛江(こまえ)市が好き。
— 福本伸一 (@shinkorochan) 2016年7月2日
狛江にタヌキが住んでるようだ。
— DJ SASA (@djsasa33) 2014年11月10日
狛江市役所前で道路を横断しているタヌキをみましたよ!
— ヨシナガトシヲ (@toshion13) 2012年5月19日
結構な数のたぬきの目撃情報があり、実際に狛江のたぬきを撮影した動画もツイッター上に掲載されている。
このたぬきはとても人懐こく、多摩川沿いの土手脇の狛江高校前の道路で出会ったようだ。
その後、僕自身も、日中明らかにたぬきらしい動物と出会ったことがある。
ただ、たぬきなのか、アライグマなのか、ハクビシンなのか、といった細かい見分けは自分には判断できなかった。
多摩川沿い、野川沿いだけでなく、継続的に市役所の付近でも見つかっているので、割と街のなかでも共存しているのかもしれない。
狛江のたぬきたちは、昔からこの辺りに生息していたたぬきたちなのだろうか。
狛江から少し行った川崎市の生田緑地にも、まだまだ野生のたぬきが存在することを示す看板が立っている。
生田緑地前
餌がなくなって生田緑地周辺のたぬきたちが狛江まで降りてきているのだろうか。
いずれにせよ、僕はこの街でこれまでうぐいすとヘビとカブトムシと、そして(あれがそうなら)たぬきを見かけたことになる。
キツネを見た、という声もひとつだけ発見。どうやら昭和初期の頃まではこの辺りにもたくさんのキツネが暮らしていたようだ。
街中で隠れるように暮らすたぬきと言うと、ジブリ作品で宮崎駿監督の『平成たぬき合戦ぽんぽこ』を思い出す。